2007年05月09日
▼事前確定届出給与の届出は大変。
平成18年度税制改正により大幅に見直された役員給与税制。

その中でも私たちの頭を悩ませているのがタイトルの「事前確定届出給与」です。

おさらいすると、平成18年度税制改正では、損金の額に算入される役員給与が、次の3つの類型に整理されました。

1.定期同額給与
2.事前確定届出給与
3.利益連動給与

このうちの2.が本日のお題。

で、事前確定届出給与とは、
その役員の職務につき所定の時期に確定額を支給する旨の定めに基づいて支給する給与(政令で定めるところにより納税地の所轄税務署長にその定めの内容に関する届出をしている場合における当該給与に限るものとし、定期同額給与及び利益連動給与(利益に関する指標を基礎として算定される給与をいう。を除く。)
というもの。
これ、法人税法34条の条文抜粋だから、読みにくいって文句言わないでね。

で、上の条文の「政令で定めるところによる届出」というのが、次のようなもの。

事前確定届出給与の届出は、その給与に係る職務の執行を開始する日と当該事業年度開始の日の属する会計期間開始の日から三月を経過する日とのいずれか早い日(次項において「届出期限」という。)までに、財務省令で定める事項を記載した書類をもつてしなければならない。

と、ここで早くも問題が。
何が問題かって、「職務の執行を開始する日」っていったいいつなの?ってこと。

これについては国税庁が役員給与に関するQ&A(http://www.nta.go.jp/category/tutatu/sonota/houzin/5126/5126.pdf)のQ6で事前確定届出給与に係る職務の執行を開始する日とは、いつを言うのでしょうか?という問があって、これに「一般的には、定時株主総会の開催日」と答えている。
とすると、 定時株主総会開催日当日に届け出ないと届出期限内の届出は不可能ということになる。
これって、おかしくない?

で、Q6への答えは次のように続くんだ。

「ただし、実務上、役員給与については月払いが一般的でしょうから、例えば、3月決算法人が5月26日に定時株主総会を開催し、定時株主総会の翌月の6月1日から開始する職務に対して役員給与を定めるようなケースも多いと考えられます。このように、(中略)定時株主総会の日に近接した日であれば、税務上も、事前確定届出給与に係る「職務の執行を開始する日」として企業実務の観点から是認しうるものであると考えられます。」と。

こうすれば、届出は6月1日までに行えばよいことになる。

けど、役員って総会で選任されて即時就任するのが通常だろうに、国税庁のいうように「翌月1日から開始する職務に対して役員給与を定めるようなケース」って多いのかなぁ?

なんて考え始めると、総会の翌日以降に届け出るためには、役員給与決定の議案の中に「職務執行開始日は○月1日」という文言を織り込まなくてはいけないのか、でも、そしたら就任から翌月1日までは職務を執行してはいけないのか?はたまた職務は執行しているけど無給ってこと?なんて悶々とし始めてしまうわけです。

それから、条文上「所定の時期に確定額を支給する旨の定めに基づいて支給する給与」って書いてあるんだけど、届出書には「支給時期(年月日)」と「支給金額(円)」を届け出なければならない。

じゃあ総会で平成19年11月25日に100万円支給するって定めたけど、よくよくカレンダーをみたら日曜日。振込みできないから支給を前倒しして22日にしたり、26日にしたりしたら、損金不算入になっちゃうの?なんて疑問も湧いてくる。

また、届出書には、「事前確定届出給与に係る職務の執行を開始する日」「職務執行期間」を書かなければならないのだけど、職務執行期間の末日って、来年の定時株主総会の日に通常はなるよね。これを年月日で書く様式になってるのだけと、来年の総会の日付確定させてから記入しろってこと?

とか。

とにかく問題山積なのです。

問題山積な証拠に、平成19年度税制改正では、届出期限が次のように変更されている。

「事前確定届出給与」について、その届出期限を役員給与に係る定めに関する決議をする株主総会等の日から1月を経過する日(その日が職務の執行を開始する費の属する会計期間開始の日から4月を経過する日後である場合には、当該4月を経過する日)とする。」

これなら総会日と別の職務執行開始日を定めなくても、届出期限までに1ヶ月の猶予ができるよね。

他にも色々あるけど、とにかく熟成されていないうちに成立してしまった法律、というか、あまりに細かいこと規制しすぎるからこーゆーことになるんじゃないの?と小一時間問い詰めたくなる(笑)のが事前確定届出給与の規定。

まとまりませんでしたが、こんなところで、今日はお開き!


 

 
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